2021年1月29日金曜日

芥川竜之介の「或阿呆の一生」

 一風変わった遺書だった。

なぜ「ある阿呆」なのか。蔑まれるべき自分をさらけ出したからなのだろうか。逆に、或阿呆としなければ、書けなかったことなのであり、又、そのようなものであっても描きたかったし、書かざるを得なかったものなのか。

あるいは、そこには、彼の近隣者しかわからない秘密の暴露があったのだろうか。

彼のナイーブな心が、いかに傷ついていたのかを示しているもんなのだろうか。

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