2004年12月に勁草書房から出版した著作「環境政策と一般均衡」の全文pdfファイルを、以下からダウンロードできるようにした。(Googleからのダウンロードですが、アカウントを持っていなくても、またログインしなくてもダウンロードは出来ます)
一部訂正した。第3章「二財二部門一般均衡の計算」の3.5表、3.6表の数値に誤りがあった。このことは、出版してしばらくしてから、慶應義塾大学の学生さんから指摘された。次の2版が出るときには改訂しようと思っていたが、出版されず。17年経ってようやく訂正することができた。長い間放置して申し訳ありませんでした。また、指摘に改めて感謝いたします。
同書で使用しているプログラム類(基本 C言語で書かれている)は、以下のところからダウンロードできます。
(少し来歴)
神戸大学の教授を退職し、選挙に出た翌年、私は豊橋創造大学の教授として半ば大学に戻った。 ただ、確かに教授として採用されていたが、業務としては週3コマの講義のみで、教授会などの業務はすべて免除されていた。一方、研究室や研究費は与えられ研究する環境もあった。給料は一般の教授の6割程度だったが、与えられた自由な時間で、小説を書くこともできた。恵まれた環境を与えていただいた豊橋創造大学には今も感謝している。
大学が豊橋を流れる豊川沿いにあって、研究室を抜けて時々河原に出て物思いにふけることも多かった。
研究も進めていて、環境対策のリバウンド効果を調べていた。あることがきっかけで、上智大学に移ることになった。今度は普通の教授になる。中途半端な気持ちではいけないと思った。そこで、上智に移る前にしっかりした研究業績を作らないといけないという気持ちになった。そこで始めたのが、この著作につながる環境政策の応用一般均衡分析だった。細かいことは序文やあとがきに書いているので、それをみていただきたい。
ひとつかいておきたかったことは、このシミュレーションモデルを作成していく過程で、自分の脳の限界に触れた感じがしたということだ。
このモデルは、数え上げれば方程式が2万本くらいある方程式の塊だった。これで日本経済のバランスある状態が表現されていた。そのバランスのとれた状態では、セイ法則というのが成立して、方程式が1本過剰になる。モデルにわずかの不備があっても、このセイ法則が成立しなくなる。モデルはC言語で書かれていたが(その後はGAMSという便利なソフトを使ったので苦労は少なくなった)、セイ法則の成立をチェックすると、プログラムに不備があるかどうかがわかるのだ。わかったとしても、いったいどこにあるかまではすぐには教えてくれない。あるいは、プログラムというより組み立てた方程式体系に誤りがあるのかもしれない。このバグ取りのなかで、脳細胞を限界まで追い詰めたということだ。 これ以上、方程式体系のふるまいを追うためには、もう少し頭が切れたらと思ったということだ。結果的には、モデルは完全に動くようになったが、脳細胞をあそこまで追い込んだのは、あの時だけだったのではないかと今では思う。
このことは本にも書かなかったはずだ。ここに書いて残しておく。
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