2021年1月29日金曜日

芥川竜之介の「蜘蛛の糸」

 あまりによく知られた短編だ。

カンダタを愚かな人間と笑えるものは、この世にはいないだろう。もしいたとしたら、ただ人間を路傍から眺めている聖者だけだろう。

「カンダタの無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰を受けて、元の地獄へ落ちてしまったのが、お釈迦様の御目から見ると、浅ましく思し召されたのでございましょう」

お釈迦様には、人間を見る目がなかった。また、あの世に行った人は、天国には誰もいないのでは、ないだろうか。

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