あまりによく知られた短編だ。
カンダタを愚かな人間と笑えるものは、この世にはいないだろう。もしいたとしたら、ただ人間を路傍から眺めている聖者だけだろう。
「カンダタの無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰を受けて、元の地獄へ落ちてしまったのが、お釈迦様の御目から見ると、浅ましく思し召されたのでございましょう」
お釈迦様には、人間を見る目がなかった。また、あの世に行った人は、天国には誰もいないのでは、ないだろうか。
歴史上には無数の戦争の記録がある。歴史の区切りは戦争に彩られていると言ってもいい。 そこでは将軍の下、無数の兵士が武器を持って戦い、そして死んでいった。記録に残る歴史には、兵士を死なせた将軍のことは書かれているが、死んでいった数えきれない兵士のことは、ほとんど書かれない。もちろ...
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