2021年2月20日土曜日

本多利明「経世秘策」巻上の覚書(継続)

( 日本思想体系の該当書のページ数をもとにする)

p.23

貨幣供給量(金貨、銀貨の供給量)に制限を設けよと。それをしないから、物価高が起こると。幕府は貨幣供給によって、直接購買力を高めようとするが、物価高によって米の相対価値が下がり、自らを苦しめる。鎖国によって閉じた国家は、貨幣供給を増やすことによっては豊かになり得ないことを示す。

貨幣供給量の制御が第一の治道(政務)だと強調する。

四大急務の第一、焰硝。爆薬。海路、河道、道路などの整備、水害などの回避には爆薬は不可避だが、民間に任せておく限り、短期的利益がないためにやらない。国家がやるべきだという。インフラ投資と見ている。 

第三の船舶。

「天民一人廃亡するは皆国君の科なり」

「諸色の相場不同、高下は、渡海海運送不便利より出生セリ」

巻下

「農民餓死して良田畠を亡所となせしは、誰が過失とならん、皆国君の罪科に帰すべし。不忠不貞言うべき様なし。天罰も遅きものかなと、我を忘れて憤怒の心の生るるは、これを思うの微意なればなり」p.28

徹底した体制批判、驚くべき。

(書き掛け)

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誇りについて

 誇りという言葉は、人をかりたて支えるものとなり得る。しかし、私がいつも意識する言葉ではない。というのも、この言葉は他者に対する意味が強すぎる。基本、「他者に誇る」のである。他者の存在抜きに、誇りが意味を成さないかといえば、必ずしもそうではないがそういう意味合いはない。