潰れかけた東京の心から逃れるように、妻と車に乗って浮間公園に出かける。本来自粛なのかもしれないが、このまま家にいたら潰されてしまうように思った。冬の空、快晴の空、紺碧の空。
無線機FT-991Aとアンテナを設定する。短波帯はうまく受信しない。430MHzバンドと2mバンドはいつもの通り機能した。
妻は、河川敷を散歩していた。
階段の上で、若い女がスマホをいじりながら座っていた。
「川はどこに流れているのかしら」と妻が言った。確かに川筋が見えなかった。おそらく、運ばれた土がおもちゃの山並みのように川中に走っている。その隙間を流れているのだろう。