2021年1月31日日曜日

絶滅のシナリオ

 大きな時間的視野で現代を見ると、それは人類が絶滅する最初の一歩を踏み出した時代になるのではないかという気がする。

昔から人類絶滅の契機については関心があった。よく言われるような、核戦争では、人類絶滅には至らない気がするし、隕石の衝突については、考えても仕方のないことのように思える。

かねてから、人間はその知識によって絶滅するのではないかと思っていた。例えば、遺伝子操作である。これが人間の種としての脆弱性を引き上げて絶滅に至ると考えていた。

が、コロナ禍の中、もっと違うシナリオがあると思うようになった。

かつてエイズウイルスに人類がおびえた頃があった。私も実際怖かった。外国人と食事をすることすら、少し怖さがあった。が、今は、薬もだいぶいいものができて、死に至る病のような雰囲気は無くなっている。

その頃、一体どこからエイズウイルスが来たのかという議論があった。結論はまだしっかり確かめていないが、当時は、アフリカなどの未開の森林が開拓されて、そこで、サルなどの中に蔓延していたウイルスが人間にもたらされたのだという。サル自身にはさしたる症状はなくても、人には、深刻な症状をもたらすというわけである。

森林を伐採し、開拓しているのは人間であり、地球環境破壊の一つの主要なベクトルである。 ただ、この破壊というのはあくまで人間にとっての破壊であり、地球にとっては破壊ではない。なぜなら、人間もまた地球のパーツに過ぎないから。

地球温暖化という地球環境破壊もまた、ウィルスに関係している可能せはある。氷河や永久凍土の中から、未知のウィルスが発見されている。

人類の歴史は、700万年前まで遡ることができるとされている。しかし、その時間は、地球の生命の歴史から見れば極めて短い。人類生誕までに、地球では数回の大量絶滅が発生している。それらの時期に絶滅した多くの種と同様に、人類もまた、ある時期栄えていた一つの種に過ぎなかったと、地球の歴史に残る可能性はないとは言えない。

日本の本州、九州、四国にかつて、ニホンオオカミという狼の種が生きていた。が、1900年代はじめに、絶滅したと言われている。 絶滅の理由は、狂犬病や人間の駆除など諸説あるが、定説はないようだ。

ニホンオオカミのことを考えると不思議に思うことがある。それは、日本全体で絶滅が進行しているように見えることだ。狂犬病や駆除が原因ならば、地域ごとに特徴を持ちながら絶滅に向かっていくようにも思えるが、種の生存力が低下していったように、全国的傾向として絶滅に向かっているように見えるということだ。人間の絶滅も、あるとしたらそのようになるのではないか。理由不明のまま、世界中で出生率が低下していくとか・・・・。

新型コロナウィルス問題は、私の人生でも極めて特異な体験である。2020年2月ごろには、この問題を強く意識し始めていた。そして、その後の数カ月で最も強く感じたのは、核兵器まで持つに至った世界が、いかに無力なのかということである。アメリカの大統領ですが、事実上お手上げだった。人々は、日々死んでいった。

たった一つのウィルスにですら、人類の狼狽ぶりは深刻だった。しかし、新しいウィルスが次々と復活するような状況になれば、人類は打つ手がなくなっていくだろう。

たとえワクチンとか特効薬とか、対応手段が創造されたとしても、またそのことによって人類は滅亡に近づいていくような気がしてならない。ワクチンは、あくまで自然が人類を守るために持っていた力ではなく、人間自身が人間という肉体のために作り出したものであり、その長期的影響は、わずかばかりに治験者の結果だけを見て予測は不可能だからである。

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